ALPINE GUIDE Tsutomu Sugisaka
アルパインガイド 杉坂 勉
(社)日本山岳ガイド協会認定上級登攀ガイド

ジャパン・アルパイン・ガイド組合(J・A・G・U)所属
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ガイド山行の記録
11月5日(木) 太刀岡山 左岩稜



  
 いよいよ秋も深まり、高い山には雪もちらついている今日この頃、私達は甲府の太刀岡山でマルチピッチクライミングです。太刀岡山の左岩稜は、登攀時間3時間ほど、アプローチ15分、下山30分ととてもお手軽。ルートも出だしに5.9ほどのハンドクラック(朝イチでアップ無しで登るにはちと厳しいかも・・・)と、コーナークラック、オフィズス、チムニーそして半分から上は、快適なナイフリッジのクライミング、そして最後にハサミ岩のフェイス(5級ほど)クライミングと、とても変化に富んでいて面白く、人気も高い様子。
 実は2日前の3日、文化の日にも同じルートを登ったのですが、この日は天気こそ日本晴れの良い天気でしたが、気圧配置は冬型で、寒いの何の。まるで冬山でした。
 しかしこの日は、雲が広がりお天道様こそ望めないものの、暑くも無く寒くも無く、快適にクライミング出来ました。
 

10月31日(土) 明星山P6南壁 左岩稜



  
 今週末は明星山でクライミングの予定でしたが、週間予報では日曜日は天気があまり良く無さそうだったので、急遽予定を土曜日に変更。
 土曜日の早朝に松本へ集合し、一路糸魚川へ。小滝から川沿いに林道をたどり、明星山南壁の向かいにある展望台の駐車場につくころには、左岩稜取り付きには既に5〜6パーティ順番待ちしている様子・・・。恐るべしこの時期の明星の人気。
 取り付く前の順番待ちでは、ジャケットを着ていないと肌寒いくらいでしたが、3P目〜4P目を登る頃には陽もあたって気温がぐんぐん上がり、汗ばむ陽気に。たまらずジャケットを脱ぎました。
 岩は人気ルートだけあって、概ね硬く、ところどころに浮石はあるものの、快適なクライミングが楽しむ事ができました。そして明星山P6南壁の最大の特徴は、なんと言ってもアプローチの近さと下山の短さ、それでいてこのクラスのクライミングが楽しめるなんて、とてもいいところですね。でもそこはアルパインクライミングのルート、皆さんお気軽に考えず、しっかりとトレーニングしてから取り付きましょう!!
 

10月24日(土)〜25日(日) 自立クライマー支援講座(2) 



  
 今期から始まった自立クライマー支援講座の、第二回目は三ツ峠で行いました。
 しかし週間予報とは裏腹に、今週末は直前になって悪い予報へ・・・。それでも初日は左フェース周辺で、セルフビレイのセットや懸垂下降、リードアンドフォローの手順などを練習し、中央カンテを受講生のリードで登りました。濃いガスの中で、ちょっと谷川一ノ倉気分!?程よい緊張感の中、アルパインクライミングへの第一歩を踏み出しました。
 翌日曜日は朝からあいにくの空模様。四季楽園の人工壁を借りて、前日のおさらいからリードアンドフォローの手順を、繰り返し繰り返し練習しました。
 まだまだ不慣れな点も見受けられますが、北岳や穂高、剣岳のバリエーションに思いを馳せ、今後も頑張りましょう!
 *次年度も4月から自立クライマー支援講座を開催します。いつかは自分達の力でアルパインクライミングを!とお考えの皆さん、奮ってご参加下さい!!

10月18日(日) 錫杖岳ハイグレードハイキング




  
 先週に引き続き今週も紅葉を愛でながらのハイグレードハイキングに行ってきました。今週の山は錫杖岳です。
 前日までクライミングにするか、ピークハントにするか迷いましたが、土曜日の夜半までものすごい雷雨だったこともあり、今回はピークハントにしました。
 まずはいつものようにクリヤ谷から錫杖沢に入り、岩小屋から北沢には入らず、隣の牧南沢へ。話によると枯れ沢の岩の上をぺたぺたと登れるハズが、昨夜の豪雨のため、この日の牧南沢はとうとうと水の流れる本物の沢と化し、ぐしょぐしょになった悪路を登るために!、と履いてきた登山靴での沢登りとなってしましたました!しかもじっとり湿った岩の上は、コケがうっすら張り、すべるすべる!!
 緊張の沢登りでは紅葉を愛でる暇もなく、おまけに稜線直下の藪こぎでは、笹の葉にたまった雨粒で体はびしょびしょ・・。
 しかし苦難の末にたどり着いた錫杖岳本峰からの眺めはまさしく絶景!稜線伝いに見上げる笠が岳には雲がたなびき、向かいには真っ白となった穂高、槍の山々が!!!
 これまでの苦労もこのすばらしい絶景に癒され、また下りながら眺める紅葉のすばらしさにうっとりしながら、登り応えのあるハイグレードハイキングを楽しんだ1日となりました。

10月12日(祝) 奥只見 荒沢岳


  
 今年は、長雨や台風、積雪など何かと不運な山行が続いていましたが、その中にあってこの日は最高の登山日和。私自身10年ぶりくらいになろうかという、奥只見での山行でした。
 目指すピークは荒沢岳。連休最後の月曜日、登山口はたくさんの人だかり!まずはヘッドランプを頼りに前山の急登を登ります。稜線まで出ると、目の前には前ーの岩壁が聳え、その向こうには荒沢岳が望めました。そして振り返ると奥只見湖が。
 色とりどりの紅葉に囲まれ、前ーのクサリ場もロープで確保しながら慎重に通過。頂上稜線に出てからの岩稜帯も慎重に越え、登りきった荒沢岳の山頂からは、うっすらと雪を纏った平ヶ岳、八海山、駒ケ岳が良く見えました、また眼下に広がる紅葉は、日の光を浴びてとてもきれいに映えていました!

9月26日(土)〜28日(月) 穂高岳屏風東壁 雲稜ルート




  
 シルバーウィーク明けの今週は、空いていることを狙って屏風岩です!ルートはもちろん東壁雲稜!
 26日は東京を朝発し、お昼少し前から上高地を出発。大型連休後とあって、上高地の河童橋周辺も人はまばら。2時過ぎには横尾に着き、その日の夜は早くも7時には就寝。
 良く27日は早朝3時45分に横尾の小屋を週発。横尾谷の徒渉も、水量が少なく飛び石で難なく通過。時折小雨のぱらつく中、1ルンゼの押し出しを上がって行きました。
 気になっていた天気も、夜が明けT4尾根取り付きにつく頃にはすっかり快晴。さすが屏風岩の人気ルートだけあって、T4から上は浮石も少なく、コーナークラック、フェース、そして最後は磨かれたスラブと、途中A1を交えながら“たのしい”クライミングが続きます。
 すばらしい秋晴れの中、人工登攀主体の屏風岩にあって、フリークライミングの要素の強い雲稜ルートを、満喫した1日でした。
 ちなみに27日のうちに松本まで下れたので、その日の夜は松本で馬刺しを堪能しながら1杯!翌日は佐久の湯川に移動して、クラッククライミングをエンジョイ!盛りだくさんの3日間でした。 

9月12日(土)〜13日(日) 北岳バットレス 第四尾根


  
 このところ、7月から8月前半の悪天とは対照的に、秋晴れの晴天が続いております。今週は北岳バットレス、夏に中止になった山行のリベンジです!
 土曜日こそ、しとしと雨の降りしきる中の入山でしたが、翌日の晴れを期待してのアプローチでした。
 そして翌日曜日は、予想通り晴れ。朝4時、まだうっすらと雲の漂う中での出発でしたが、バットレス沢に着く頃には夜も明け、真っ青な青空の下、Bガリー大滝に取り付きました。
 ところが今回は、北岳バットレスは大盛況!順番待ちで四尾根に取り付けたのは、午後8時をまわっていました。なかなか進まない先行パーティーにイライラしましたが、午後1時には頂上にたどり着き、後はひたすら草すべりから大樺沢を駆け下り、午後4時30分に広河原着。何とか最終のタクシーに間に合いました・・・。
 今回の順番待ちで、最後尾から4パーティーは半ば運命共同体となり、お互い最終タクシーに間に合うか心配しあい、帰りのタクシーで再開した時には、互いの検討をたたえながらの帰路でした。

8月15日(土)〜23日(日) 穂高岳 西穂〜ジャンダルム〜奥穂縦走
  

  

  
 梅雨明け以降、サンザンだった天気も、お盆を迎える頃にはかなり安定してきました。おかげさまをもちまして、昨年の剣岳源治郎4回登攀に引き続き、今年も西穂〜奥穂の縦走3回も、予定通りこなすことが出来ました。
 コースは、安房トンネルが出来てからは、定番になった新穂高温泉から、ロープウェーを経て西穂山荘。二日目に西穂、ジャンダルムと越えて、奥穂まで。最終日は短いながらも変化に富んだ白出沢を下り、新穂高温泉に戻るといった感じ。私自身も、この時期に穂高に来るのは2〜3年ぶり。なかなか新鮮な気分で楽しめた山行でした。
 西穂から奥穂にかけての縦走路は、バリエーションルートとまでは行かないまでも、クサリ場も危険箇所も多く、一般縦走路と比べると、ワンランク上といった感じ。もちろん今回はガイド山行なので、ルート中は全てロープで確保しながらの行動でした。
 しかし行動中にもっとも厄介だったのは、浮石の存在で、歩行技術あるいはクサリ場の通過といった技術面よりも、この浮石の処理に神経を使うといった感じでした。そして、ほかのパーティーの登山者を見ても、ヘルメット持参の方は増えたのもうなずけます。
 さてさて9月に入り、いよいよ夏の登山シーズンも大詰め。皆さん事故や怪我にはくれぐれも気をつけて、安全で楽しい登山を楽しみましょう!!

8月5日(水)〜6日(木) 北岳バットレス 第四尾根
    間に一回、山行中止を挟み、この週も北岳バットレスにチャレンジです。
 しかしこの日も天気はイマイチ。ヘッドランプを点け、お池の小屋を出たものの、二俣で早くもパラパラと雨が・・・。バットレス沢の出合で、天気回復の兆しが見えたので、思い切って四尾根へ。
 ルート中は何とか降られずに済み、念願の山頂を踏むことが出来ました。
 しかし前回に続き、下山は雨・・・。広河原につく頃には、ずぶ濡れでした・・・。

7月30日(木)〜31日(金) 北岳バットレス 第四尾根
    いよいよ今年も夏本番。第一弾は恒例の北岳バットレスです。
 しかし今年の夏は、なんともはっきりしない天気が続く今日この頃です。この週も直前まで、予報がコロコロ変わる不安定な天気。それでも何とか悪天の間隙を突き、四尾根を完登してきました。
 しかし今年の残雪の多さにはびっくり!四尾根取り付き直下のCガリーは、まだまだ雪渓がびっしりでした。

7月12日(日) 自立クライマー支援講座(1)
    今年から試験的に、自立クライマー支援講座を始めてみました。記念すべき第一回目は、三ツ峠での講習を予定しておりましたが、天候が読めないのでインドアに変更。
 講習内容は、カラビナやスリングの扱い方やギアの携行の仕方など、基本的な事柄から、ビレイポイントの作り方、実際のリードクライミングや懸垂下降までを、しっかりとした理論に基づきながら、やり方、注意点などを詳しく講習しました。
 次回はマルチピッチとセルフレスキューです!理論と実践、そして理論の再構築をモットーに、しっかりした技術を身に着けましょう!

6月27日(土)〜28日(日) 戸隠P1尾根
    いよいよ沖縄は梅雨明け。本州は梅雨真っ盛り!ところが今週は中休みなのか、土日とも雨は一滴も降らずじまい。ここぞとばかりに3年越しの戸隠へ。
 初日は奥社から蟻の戸渡りから戸隠岳を経て一不動から戸隠牧場へ縦走。2日目は今回の目標ルートである西岳P1尾根へ。
 しかし雨は降らないものの、湿度が高かったのか、2日間とも汗だくだく!皆さん、この時期は十分に水分を摂り、湿度上昇による熱中症に注意しましょう!

6月6日(土)〜7日(日) 谷川岳一ノ倉沢 中央稜、中央カンテ
  

 いよいよ今年も入梅間近。今週末もころころと変わる週間予報にやきもきしましたが、どうやら天気は回復傾向ということで、予定通り谷川岳一ノ倉沢へ行ってきました。
 6日の朝4時30分に一ノ倉出合を出発。本谷はまだ厚い雪渓の覆われ、30分ほどでテールリッジへ。この時期のアプローチは本当に楽ですね〜。
 気になる天気は高曇り。午後には本降りとなる様子なので、そそくさと中央稜へ取り付きました。ところが、7時には霧雨になり、その後も降ったり止んだり。結局じっとり濡れた岩で、デリケートなクライミングとなってしまいました。
 明けて翌日は腫れマーク!の筈でしたが、一ノ倉は昨日にも増して厚い雲に覆われていました。それでも天気は回復傾向ということで、一路中央カンテへ。しかし今日も天気は降ったり止んだり。またまたフリクションの効かない、デリケートなクライミングを強いられてしまいました。
 久々の谷川らしいクライミングをたっぷりと味わった2日間でした。
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